渋沢教会
更新日:2011.7.2

6月26日 御言葉の説教「本当の故郷に帰ろう」

大井 啓太郎牧師
ルカ福音書15章11〜24節

 

先日のチャペルコンサートの最中、ゲストの井上とも子さんが、東日本大震災のことに話が及んだ時、涙を流されました。 彼女はあの凄惨な出来事と今も続いている人々の苦闘を思う時、涙せずにはいられなかったのです。そして、「オー・ダニーボーイ」という曲を演奏されました。 「オー・ダニーボーイ」という曲は息子の帰りを待つ親の気持ちを歌ったイギリスの曲です。今日の話には、親から財産を分けてもらったが出て行った先で、 やりたい放題をしてとうとうお金を使い果たしてしまったという弟が出てきます。

たとえの中のこの弟は、たぶん家にはいろいろな不満を持っていたのだと思うのです。で、父親に「財産を生前贈与してくれ」と無理を言って、 遠い国に旅立ってしまうのです。今までやりたいと思っていたことをいろいろやったのでしょう。しかし、楽しむためにはお金がいります。お金を湯水のように使い、 あっという間に底をついてしまい、とうとう、誰もがやりたくないような豚を飼う仕事をさせられてしまうのです。ユダヤ人にとって豚というのは穢れた動物で、 その世話をするというのは同じく穢れるということですから、そのような人々の軽蔑の目にさらされて生きなければならないことを意味します。

彼は苦しみの中で一大決心をして帰りました。家に帰ってくると、遠くからその姿を見つけた父親が走りよってきて、抱きしめ彼を迎えました。 罪をわびた息子に対して、なんら非難するのではなく、裸同然の彼に一番上等な服と指輪と履物を与え祝宴を開いて、息子の帰還をお祝いしました。 そして父親は言うのです。「死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかった」と。

イエス様はこの話を通して、神様の愛の大きさを話したかったのです。わたしたちにはまだ見ぬ、「本当の故郷」があり、 父なる神様はずっとわたしたちの帰りを待ち続け、「どこに言っていたんだ」と怒ることなく、何もいわないでただ、ぎゅっと抱きしめてくれる。 そのような場所を用意して待ってくれていると、イエス様は語るのです。本当の故郷への帰り道を歩こう。