渋沢教会
更新日:2014.2.1

1月19日 御言葉の説教「軍師 僕ぇ」

大井 啓太郎牧師
創世記24:1-17
マタイ 24:45-51

挨拶


 おはようございます。昨夜は、センター試験が行われ、今日は雨が雪に変わるという予報でしたので、 受験生は心配だったと思いますがどうやら、雪も降らずに済みそうです。 中会でも、週報にも書きましたが、関伸子伝道師が牧師試験に臨んで、見事合格されました。 日本中会初の女性教職がまもなく誕生します。祈っていたことが、少しずつ現実になる。 本当に素晴らしいことだと思います。祈ることの大切さを改めて思わされました。


 それでは、いつものように、お近くの方と主のみ前に集うことができたことを感謝して、 「あなたに平和があるように」という意味の「シャローム」「エイレーネー」「エレーネー」とご挨拶しましょう。 どうぞ。


1.サラを葬った後のアブラハム


 先週は、アブラハムの妻サラの弔いとアブラハムの思いを23章から見てまいりましたが、今日の24章は、 そのサラの死から約3年経った頃を描き出しています。妻サラはいませんでしたが、1節にあるように、 生活も安定していたということがこの「主は何事においてもアブラハムに祝福をお与えになった」という言葉に現れています。


 しかし、アブラハムには一つの心配があったのです。それは、息子イサクの結婚問題でした。 このままでは、今住んでいるこのカナンの異民族の女性を選ぶほかありませんでした。 しかし、本当でしたら、その土地で生活するためには、その土地に住む人々と血縁関係を結ぶほうが、暮らしやすかったのです。 しかし彼は、ハガルとイシュマエルの出来事から、息子には、 同族のものと結婚させなければならないという強い思いがありました。 彼は、全財産の管理を任せていた僕に、故郷に戻り自分と同族の娘を連れてくるように誓いを立てさせ、頼みました。


2.軍師 僕ぇ、エリエゼル


 さて、この僕を、今朝特に注目したいのですが、今日の説教題は、最近始まったNHK大河ドラマの『軍師 官兵衛』 からつけました。ご存知のとおり、黒田官兵衛は、織田信長、豊臣秀吉に仕えた戦国時代の稀代の名参謀、ナンバー2です。 私はこの創世記24章に出てくるアブラハムの僕を調べて行くうちに、黒田官兵衛という人物の生き方に似ていると思ったのです。


 まず、第一にアブラハムの僕は、サラ亡き後のアブラハムの良き相談相手でした。 それほど重要な人物であるにもかかわらず、この24章にはどこにも名前が記されていません。 しかし、以前15:2-3で「ダマスコのエリエゼル」という僕がおり、イサクが生まれる前は、 彼を後継ぎにしようとしていたことが分かります。ですから、この僕はエリエゼルという名前であると思われます。 アブラハムとエリエゼルの関係は確かなことは分からないのですが、後継ぎにしたいと考えていたということは、 それだけ信用のおける人物だったのです。イシュマエル・イサクとアブラハムに子どもが与えられて、 自分の立場がなくなっていくような状況の中でも、彼は忠実にアブラハムに仕えたのです。 そのような彼の姿が、またアブラハムの信頼を勝ち得たのです。 黒田官兵衛は敵につかまって長い間牢に閉じ込められ、生死の境をさまようような状況になっても、 主君秀吉を裏切らなかったといいます。また、ある時、素晴らしい手柄を立てたにもかかわらず、 それに見合った恩賞を与えられなかったのですが不平を言わずに、従ったそうです。 このエリエゼルもまた、アブラハムの指示に忠実にその務めを果たしていくのです。 彼はこの旅の終わりにアブラハムではなく、イサクに事の次第を報告していますが、 彼は、イサクにとっても良き相談相手となったことでしょう。


 第2に、黒田官兵衛がただ、漠然と主君の命に従うのではなく、その思いをくみ取り、よりよい妙案を立てたように、 エリエゼルもまた、花嫁探しに対して、ただ、同族の女性なら誰でも良いというのではなく、心優しく、 気がきく女性を見出そうとしました。24:12節以下の祈りの言葉がそれです。 そのような確かな知恵を彼はもっていたのです。主なる神様はそのような僕の祈りを聞かれ、 彼は一人の女性を見出すことになります。


 第3に、黒田官兵衛は、力で、敵を従わせるのではなく少しでも犠牲を少なくしようと策を練りました。 それはきっとキリシタン大名として、神の教えを知っていたからだと思うのです。 僕エリエゼルも、主人アブラハムの神を信じていました。彼はすべてを神に祈り求めます。 最初に祈りの大切さを申し上げましたが、祈るということは、私たちの行いを成功に導く最大の要因です。 もちろん、私利私欲を願う祈りでは叶いませんが。


 私たちへの適用


 ルーヴル美術館には、ニコラ・プッサンというフランスの画家が描いた『エリエゼルとリベカ』 という題の絵が所蔵されているそうですが、この軍師 僕ぇ、エリエゼルのように良き知恵を働かせて忠実に生きることが、 私たちにも求められているのではないでしょうか。黒田官兵衛は、自分が天下を取るような働きはしませんでしたが、 しかしその忠実さと、清廉さゆえに歴史に名を残したのです。エリエゼルも又、アブラハムの良き僕として生きたことによって、 その名はこれからも残り続けるでしょう。 私たちもまた主イエス・キリストの良き僕として、与えられた場にあって忠実に生きましょう。