渋沢教会
更新日:2015.12.26

12月6日 御言葉の説教「希望を目指して」

大井 啓太郎牧師
イザヤ9:1〜6
マタイ1:18〜25

 

 ヨセフはマリアと同様、その時代の普通の人でした。ただ違うとすれば、彼は「ダビデの子孫」だったのです。ヨセフは、婚約者のマリアから妊娠したと知らされて、悩みました。婚約者でしたが、身に覚えがなかったからです。当時不倫は石打の刑にあうほどの重い罪でしたが、マリアを愛していたヨセフは公にすることなく、密かに離縁しようとしました。しかし、天使が夢に現れて、「ダビデの子、ヨセフ、その子は約束された神の子だから、おそれず妻に迎えよ」と、聞かされるのです。次の朝、起きた時には、もう彼の心には迷いはなく、マリアを妻にし、その後、人口調査のために生まれ故郷のベツレヘムへ旅し、イエス様が生まれた後もヘロデの手を逃れるために家族を守ってエジプトへ旅しました。聖書には一言も彼の言葉は出てきませんが、彼の誠実な信仰がその無言から見えるように思うのです。主イエス・キリストはこの父から、多くの正しい事を学んだはずです。マリアだけが選ばれたのではなく、彼もまた、神が選び給うたイエスの父だったのです。そしてヨセフがキリストを育てる責任を神から与えられたように、私たちもなすべき責任がこの時代にあるのです。

 私は、やまばとハウスの夜間支援員を始めて、皆他人に無関心なようでいて、そうではない小さな世界があることを知りました。私たちも世界とのつながりをなくしてはいけないのです。今、世界は暗黒です。今シリアからヨーロッパに希望を目指して移動している多くの人々の中には幼子キリストとマリアのような幼い子や妊婦もいるでしょう。遠い国の出来事ですが、しかし私たちがいま生きているこの時代、この時間に起きている出来事なのです。そこにはヨセフがいます。マリアがいます。そして私たちもいるのです。